どうも、『てったのぶろぐ』管理人です。
かけもちアルバイトしている皆さん、今日もお疲れさまです。
今回はかけもちアルバイトの社会保険の加入条件に気を付けようね。という話をさせていただきます。

えっ? 気を付けようも何も、すでに本業で加入していますよ?
実はこの社会保険、企業ごとに条件を満たしていれば加入しなくてはならないんです。

ええー。知らなかったー。
ここがこの国のダメなところですね。
今のところ、『主たる給与収入のあるところで社会保険に加入していれば、副たる給与収入のところで加入する必要はない』という法律はありません。
なので、副業でも加入するとなると、単純に”手取り額”が減ると考えましょう。

お金が欲しいから副業を始めたのに、ひどい話ですね。
納得はいきませんが、個人レベルの訴えで国の政策が覆ることはまずありません。
まずは加入条件を把握しましょう。
その上で対策し、余計な支出は抑えましょう。
目次
社会保険加入条件①
それでは社会保険の加入条件を見ていきます。
1.常時雇用されていること
要するにフルタイム勤務の人です。
2.週の所定労働時間及び、月の所定労働日数がフルタイム雇用のおおむね4分の3以上の方
“及び”なので、時間、日数どちらも満たしていなければ加入になりません。
条件①については、ほぼ本業の人の加入条件です。
”かけもち”の方は、まず該当することはないでしょう。
一例としまして、会社ごとに労働形態の違いはありますが、
月の日数 →30日
休み →土日週休二日制(8日として)
所定労働時間 →8時間/日をベースに計算してみましょう。
日数=(月の日数−休み)÷4✕3
=(30−8)÷4✕3=16.5日
時間=(週の日数−休み)✕8÷4✕3
=(7−2)✕8÷4✕3=30時間
この『日数と時間』を満たすには、
コンビニ 18.00〜25.00
勤務時間 6時間(休憩1時間)
週5日勤務
くらいやらなければいけませんwww。
社会保険加入条件②
下記のすべてに当てはまる従業員は社会保険への加入が必要です。
- 従業員101(51)人以上(厚生年金の被保険者数)の事業所に勤務
- 週の労働時間(所定)が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上(年収約106万円以上)であること
- 学生以外(定時制や夜学等を除く)
- 2ヶ月以上の継続勤務が見込まれる
それでは詳しく見ていきます。
1. 従業員101(51)人以上(厚生年金の被保険者数)の事業所に勤務
現段階では、101人以上の厚生年金保険加入者の会社に勤める方が”この条件”を満たします。
2024年10月より、101人→51人に改定されますので、51人以上と見ときましょう。
2. 週の労働時間(所定)が20時間以上
ポイントは、
- 所定なので、契約している労働時間と見てOK。
- ただし、”実”労働時間が2ヶ月以上超えてしまうと“この条件”を満たすことに。
次の表をご覧ください。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Aさん | 5 | 5 | 5 | 5 | 20 | |||
Bさん | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 20 |
Aさんは、5時間ー週4回
Bさんは、4時間ー週5回のかけもち勤務体制です。
上の表のような日数配分で、かけもちアルバイトに時間をさくと、正直クタクタになると思いますので、該当する方はほぼいないと思います。
ただ、本業が週休二日制の方で、
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 計 | |
Cさん | 4 | 4 | 4 | 8 | 20 |
のように、平日3回、週休二日の片方をガッツリ働く人はいるかもしれません。
Cさんケースは注意です。
ちなみに、残業時間は”週の労働時間”に加算しないことになっています。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Dさん | 5 | 5 | 8 | 18 | ||||
残 業 | 2 | 2 | ||||||
総労働時間 | 20 |
Dさんケースは条件に該当しません。
3. 月額賃金が8.8万円以上(年収約106万円以上)であること
単純に月額賃金を88,000円以上稼ぐと、”この条件”を満たします。
ただし、以下の手当は1ヶ月の賃金から除外できます。
・お祝い金、ボーナス
→1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金
・残業代、深夜手当
・精皆勤手当、通勤手当、家族手当
※最低賃金法で算入しないことを定める賃金となっています。
4. 学生外(定時制や夜学等を除く)
本業があって、”かけもち”されてる方は社会人だと思われますので、必然的に”この条件”を満たすことになります。
5. 『2ヶ月以上』の継続勤務が見込まれる
こちらは読んで字のごとしです。
本当のスポットや短期アルバイトでない限り、”この条件”を満たすことになります。
社会保険加入義務を発生させないための対策
- 副業先に相談する。
- 副業先を分散する。
- 加入義務が発生しない副業をする。
1. 副業先に相談する
社会保険料の支払いは、雇用主と従業員の折半です。
加入義務が発生してしまうと、雇用主にも余計な費用がかかることになります。
直属の責任者も、社会保険に詳しくない人は多いので、事前に相談はしておきましょう。

自身でも、加入条件を満たさないように勤務時間などを調整しよう。

他人を信用しすぎるのは良くないよね。
2. 副業先を分散する
社会保険加入義務の発生条件は、企業単位です。
大抵の場合、労働日数・時間、給与収入の面がネックになってくるでしょう。
単純に副業を分散してしまえば、条件にひっかかりにくくなります。
週の労働時間 | 月収 | |
---|---|---|
副業① | 10H | 50,000円 |
副業② | 10H | 50,000円 |
合計 | 20H | 100,000円 |
極端な例で、総労働時間20H以上・総月収88,000円以上ですが、分散さえしていれば問題はありません。
3. 加入義務が発生しない副業をする。
加入義務が発生しない副業に以下のものがあります。
- 自営業
- 業務委託
- 株式投資
- 雑所得 →単発の仕事 等
- 商品販売 →せどり 等
社会保険加入条件を満たした場合
マイナンバー制度により、加入条件を満たしている人がちゃ~んとが社会保険に加入しているか?国は簡単に把握できるようになりました。
加入条件を満たしてしまうと、正直、非常にめんどくさいことになります。
- 自分で加入の手続きをしなければならない。
- 支払う社会保険料が増える。
- 副業していることがバレる。
ほぼ、デメリットしかないですよね。
詳しくみていきます。
1. 自分で加入の手続きをしなければならない
本業オンリーだと、本業の会社が手続きをしてくれますが、副業で社会保険の加入条件を満たすと自ら手続きをしなくてはいけません。
それでは自分で手続きするための手順を見ていきましょう。
①必要な書類を準備する。
健康保険 厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届
健康保険 厚生年金保険 被保険者資格取得届
(↑日本年金機構のHPより取得できます。)
②メインとなる会社を自分で選択し、必要事項を記入。
③公的機関に提出する。
提出先 →メインに選択した会社を管轄する年金事務所
もしくは 健康保険組合
※ちなみに健康保険証はメインの会社の1枚です。
2024年12月2日に健康保険証は廃止されることが、2023年の12月22日の閣議で決定しています。

今後は、マイナンバーで管理していくんだね。
通称『マイナ保険証』と呼ばれています。
2. 支払う保険料が増える
当然、本業の分に副業の分が”プラス”されるので、おのずと支払う社会保険料は増えます。
以下、一例をしたためたのでご覧ください。
①報酬月額を求める。
まず、本業と副業の4、5、6月の総収入額を準備します。
報酬月額 | 計算の仕方 | |
---|---|---|
①A社(本業 | 200,000 | A社の4.5.6月の総収入÷3 |
②B社(副業 | 100,000 | B社の4.5.6月の総収入÷3 |
③合算報酬月額 | 300,000 | ①と②の報酬月額の和 |
合算報酬月額が『300,000』円とでましたね。
②保険料額表に当てはめる。
次の表をご覧ください。
保険料額表|全国健康保険協会 協会けんぽ
こちらは東京都の社会保険料額表です。赤枠をご覧ください。
先ほどの報酬月額300,000円は、表の290,000〜310,000の赤枠部分に当てはまり、標準報酬月額は『300,000』、等級は『22』等級となります。
そのまま赤枠を右にスライドして、
39歳以下の方は『介護保険2号保険者に該当しない場合』の折半額→14.970円を、
40〜64歳の方は『介護保険2号保険者に該当する場合』の折半額→17.370円を、
厚生年金は更に右、折半額→27.450円を見ます。
※都道府県ごとに保険料額表があり、金額が異なります。
※雇用保険は別途の保険料額表があります。
③本業と副業の会社で保険料を”按分”する。
各 按分保険料は、以下の計算式で求めます。
按分保険料=折半額✕(1会社報酬月額÷合計報酬月額)
健康保険料の場合、
A社(本業)保険料=14,970✕(200,000÷300,000)=9,980
B社(副業)保険料=14,970✕(100,000÷300,000)=4,990
厚生年金保険料の場合、
A社(本業)保険料=27,450✕(200,000÷300,000)=18,300
B社(副業)保険料=27,450✕(100,000÷300,000)=9,150
わかりやすく表にするとこんな感じ↓です。
健康保険料 | 厚生年金保険料 | |
標準報酬月額300,000 22等級 | 14,970 | 27,450 |
A社(本業)按分保険料 | 9,980 | 18,300 |
B社(副業)按分保険料 | 4,990 | 9,150 |
3. 副業がしていることがバレる
1と2の手続きで、本業に年金事務所から連絡が行きます。

かけもちこさん、副業先で社会保険に加入します。保険料、按分しますのでよろしく〜。
という感じなのかはわかりませんが、当然、本業に副業をやっていることはバレます。
手取りも減って、副業もバレる。
なんにも良いことありませんwww。
社会保険加入条件を満たしているのに加入しない場合
マイナンバー制度により、該当者が社会保険に加入しているか、国は簡単に把握できるようになりました。
社会保険加入条件を満たしているのに、加入しない場合を見ていきましょう。
①事業主が正当な理由なく届出を行わない場合や、虚偽の届け出を行った場合。
→6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金。
健康保険法第208条で定められています。
②社会保険に未加入であることが、のちに発覚した場合。
→未加入期間最大2年分の社会保険料を”さかのぼって一括納付”する可能性。
社会保険料の未加入期間支払義務の時効は”2年”です。
副業でも社会保険に加入することのメリット
すでに、本業で加入しているのであれば、メリットはほぼ皆無です。
健康保険 | 副業でも加入した場合 |
---|---|
病院の自己負担 | いくら納めても3割 |
高額療養費 | 自己負担額が増える |
傷病金手当金 | 増える(会社を病気やけがで休めば) |
出産手当金 | 増える(出産がなければ意味ナシ) |
厚生年金保険 | 副業でも加入した場合 |
---|---|
将来の年金受取額 | 増える |
遺族厚生年金 | 増える |
ほんの一例を表にしました。
健康保険については、メリットはほぼ皆無と言ってもよさそうです。
厚生年金保険については、確かに将来受け取れる年金額が増えますが、その分ガッツリ保険料は支払います。
百歩譲って、厚生年金保険だけ加入できればいいのですが、現状では健康保険もセットで支払うことになるのでwww。
まとめ
今回の記事は、”かけもちアルバイト”、”ダブルワーク”に絞って書いてみました。
以下、まとめます。
社会保険の加入義務は企業単位で発生する。
社会保険の加入条件①
- 常時雇用されていること
- 2.週の所定労働時間及び、月の所定労働日数がフルタイム雇用のおおむね4分の3以上の方
社会保険の加入条件②
- 従業員101人以上(厚生年金の被保険者数)の場合の事業所に勤務
- 週の労働時間(所定)が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上(年収約106万円以上)であること
- 学生以外(定時制や夜学等を除く)
- 2ヶ月以上の継続勤務が見込まれる
社会保険加入義務を発生させないための対策
- 副業先に相談する。
- 副業先を分散する。
- 加入義務が発生しない副業をする。
社会保険加入条件を満たした場合
- 自分で加入の手続きをしなければならない。
- 支払う社会保険料が増える。
- 副業していることがバレる。
社会保険加入条件を満たしているのに加入しない場合
- 6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金。
- 未加入期間最大2年分の社会保険料を”さかのぼって一括納付”する可能性。
副業でも社会保険に加入することのメリット
- ほぼ、皆無。
国の制度は堅苦しい文言を使ってたり、結構複雑だったり不明瞭な部分もあり、詳しくない人が多いかと思います。
仲の良い経理の人がいれば、会社御用達の労務士に聞いてもらうのも、ひとつの手かと思います。
なるべく、自身で調べて納得した上で副業に励みましょう。
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